佐賀大学農学部は,「社会的要請に応えるために,私たちの生活にとって有益な生物の生産・利用と環境保全に関わる総合科学である農学の発展にさらに貢献するとともに,人類の繁栄に貢献するために必要な豊かな教養と深い専門知識を備えた人材を育成する」という理念のもとに教育,研究,社会貢献を推進しています。そして1955年(昭和30年)の創設以来,様々な分野で国内外に誇れるような多くの研究業績を上げ,佐賀県はもちろん,北部九州の農業指導者や担い手,また様々な産業界で活躍する人材を多数輩出し,農学の発展に貢献してきました。
佐賀県は,北は玄界灘,南は有明海に挟まれた地域であり,米,⻨,大豆の他に,タマネギ,レンコン,アスパラガス,イチゴ,ニホンナシ,ミカン,トマト,キュウリ,お茶などの生産が有名です。また畜産物では佐賀牛,水産物では海苔や有明海独特の魚介類も存在します。このように農水産業が活発な地域に位置する佐賀大学農学部では,最近の研究の進歩や社会からの要請に応えるために2019年に改組を行い,生物科学,食資源環境科学,生命機能科学及び国際・地域マネジメントの4つのコースからなる一学科体制としました。これによって,まず共通の専門的な基礎知識を身につけ社会との関係を様々な観点から学んだ後に,コース毎に異なる専門教育を受けることができるようになりました。さらに農学部卒業後は大学院修士課程へ進学して,専門知識や技術を深化させることも可能です。
佐賀大学農学部は地域だけでなく国際的にも大きな貢献をしています。海外の研究機関と共同研究を推進するのはもちろんのこと,最近ではアジア諸国や欧米に留学する学生も多く,また東南アジアやアフリカの様々な国から農学を志す多くの留学生を受け入れています。これらによって多文化共生のグローバルな感覚を身につけることができるとともに,最終的には豊かな人間性と実践力を有し,幅広い視野と国際性を持って様々な方面で活躍できる人材に成⻑することができます。
佐賀大学農学部には,皆さんの「知の欲求」を満たしてくれる研究者,研究室が必ず存在するはずです。一緒に楽しく最先端の研究をしませんか?佐賀大学農学部への進学を是非ご検討ください。
頻発している異常気象に加えてコロナ禍が発生し,私達は物資の輸入が停止してしまう現実を目の当たりにしました。さらに,追い打ちをかけるようにウクライナ紛争が勃発して穀物価格や燃料価格,肥料の原料価格の高騰が増⻑され,食料やそれを生産するための資材の調達が現実問題として困難になりつつあります。このような日本の食料安全保障が危機的状況にある今こそ,農学部の存在価値が問われています。私達はこれからも「人と地球を守る農水産学研究」を推進して参ります。また,このような時だからこそ,ステークホルダーの皆様と共に発展していくことが農学部にとって重要であると考えています。農学部をお気軽にご活用ください。
様々な方面からの熱いご支援を,どうぞよろしくお願いいたします。
令和5年4月
農学部長 鈴木 章弘