農業版MOT教育 概要
本教育プログラムは、修士課程の学生を対象とする「高度な農業技術経営管理者」を育成するもので、農業版MOT教育による大学院教育の実質化と国際化を推進するものです。
本研究科における高度な専門職業人は、平成22年度に開設する新研究科(生物資源科学専攻)の副コース(農業技術経営管理学コース)において、近年の農業法人や集落営農組織体の増加、農地法の改正に伴う企業の農業への参入及びWTOやFTAなどの変化する地域的・国際的な農業・社会情勢に柔軟に対応でき、アジアの途上国を含む地域農業生産と農村の振興に向けてリーダーシップを発揮する農業のプロフェッショナルの育成を目指すものです。
ここでいう農業のプロフェッショナルは、高度な専門職業人としての高い倫理性と社会的使命感を持ち、国際的視野を踏まえて、農業経営の技術的課題とビジネス環境に関する情報を不断に収集・分析し、戦略的意思決定を行い、自己の経営目標達成のために農業経営現場での一連の管理過程を効率的に遂行する知識と実践力を兼ね備えた人材で、その養成が不可欠な状況となっている。本教育プログラムでは、ケースメソッド研究(国内外における農業版MOTのビジネスモデルの調査研究と、そのモデル事例における履修学生のインターンシップを含む修了研究)を重視することにより、大学院教育の実質化と国際化の進展をはかります。
平成22年度からの副コースでの本格的実施に向けた専任教員(コーディネーター)の配置、教育プログラムの開発とFDを推進する農業版MOTステアリング委員会の設置、学外の諸機関との連携による農業版MOT推進協議会の設置、農業経営分析システム構築のための設備の整備、農業版MOT教育の教授方法等に関する教員研修(先進地での教員研修を含む)、国内外における研究機関・企業・団体等との連携による学生のインターンシップを含むケースメソッド研究プログラム開発及び本プログラムの先導的モデルとしての広報活動を実施します。
この教育プログラムは、現在のカリキュラムに基づいて、本年度後期から1年次生を対象に先行的に実施し、新カリキュラムへの円滑な移行を図ります。コーディネーター教員は、カリキュラムの企画・開発、各部門の講義を担当する教員・学外機関等との連携・協力及び学生の指導にあたります。